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ファイバーの最前線 TOP

  • 高性能FDY製造設備の開発

一般社団法人日本繊維機械学会
技術賞
2023年度受賞

高性能FDY製造設備の開発

TMTマシナリー株式会社

紡糸巻取りでポリエステル延伸糸を製造する工程では、2000m/min程度で紡糸された繊維束に油剤を付与し、低温加熱ローラで予備加熱を行い、ローラ間の速度差で2~3倍に延伸し、高温加熱ローラで熱セットを行い巻取機で製品パッケージに巻上げる。
今回の開発機では、専用油剤ノズルの開発で水分量が少ない高濃度油剤の使用を可能とし、糸加熱時間の短縮で加熱ローラへの必要糸接触長を大幅に低減した。
必要糸接触長の低減により、加熱延伸装置は数個の短尺加熱ローラの平行配置で構成可能となり、糸条をローラ上で糸屈曲無しに安定走行させることが可能となった。また糸品質、糸走行に影響が大きい延伸ゾーンの行程長を最短とすることで糸品質・糸走行を安定させた。以上の発明・考案により生産量向上、消費電力削減、エアー消費量削減、現場作業員の削減、現場環境温度の低減など延伸糸製造設備の飛躍的な性能向上を実現した。

  • 和紙のような風合いと機能性を両立したテキスタイルの開発

一般社団法人日本繊維機械学会
技術賞
2023年度受賞

和紙のような風合いと機能性を両立したテキスタイルの開発

東レ株式会社

新素材「Camifu®」は、当社独自の複合紡糸技術「NANODESIGN®」を用いて繊維断面や形態を精密に設計し、テキスタイルにおける空隙構造を制御することで、和紙のようなぬくもりがありながら、やわらかく、さらっとした心地のよい肌触りと、優れた吸汗速度や汗のべたつき抑制などの機能性を実現した高機能快適衣料用テキスタイルです。

  • 六葉断面糸の開発と展開

一般社団法人日本繊維製品消費科学会
消費科学フロンティア賞
2023年度受賞

六葉断面糸の開発と展開

ユニチカトレーディング株式会社

六葉断面糸「セシェ6」は、単糸フィラメント表面に6つの凸部を有する構造で、その断面形状は、写真に示す通り、6葉形状となっています。
この構造を実現するためには、使用ポリマーの選定、ポリマー流路バランスの調整、当社グループのノズルメーカーによる繊細かつ緻密なノズル製作、冷却条件の最適化など、課題を一つ一つクリアーした結果、最適な条件を見出し、特殊形状の糸を生産することが可能となりました。この構造による効果として、フィラメント表面の凹凸により光が乱反射し、ギラツキのない上品な光沢と深みのある色合いが表現できることに加え、適度なコシでリネンのようなドライタッチも付与することができます。
「セシェ6」に当社独自の特殊複合仮撚加工を行うことで、ナチュラルで繊細な杢感、ドライでふくらみのある風合いを表現した素材。原料にマテリアルリサイクルポリマーを使用した環境配慮型素材等、ニーズに答えるべく様々な展開を進めています。

  • カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の多様な生理機能とその配合製品
  • カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の多様な生理機能とその配合製品

一般社団法人繊維学会
技術賞 
2023年度受賞

カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の多様な生理機能とその配合製品

株式会社マリンナノファイバー
鳥取大学 教授
伊福 伸介 氏

鳥取県はズワイガニの水揚げが日本一。カニ殻の主成分であるキチンから、「キチンナノファイバー」を製造することに成功。本素材は従来のキチンと比べて加工がしやすく、様々な製品に配合できる。機能の探索を行い、肌に対する効果、服用に伴う効果、植物に対する効果を明らかにした。機能性原料として採用され、化粧品やペット用のヘルスケア製品が誕生している。